治療のご説明
cure
治療方針
基本として考えていること
皮膚科の専門医として、診療の ガイドライン は十分に尊重しながら治療に当たります。また、最新の医学知識を摂取吸収するように努め、日々の診療に反映させていきます。そうした心構えを踏まえた上で、以下のように取り組みます。
- 経験に裏打ちされた、塗り薬・飲み薬等の最良の選択を目指していきます。
- 疾患の背景に留意した、適切な生活上の助言を提供していきます。
- 必要に応じた、過剰に陥らない適切な局所への処置を心掛けていきます。
- クリニックの役割を自覚した、無理や無駄のない手術を行っていきます。(院長)
- 独自性を織り込んだ、有効な手技や薬(含・注射)も提案していきます。(院長)
疾患ごとの治療
- 表皮嚢腫:
粉瘤 ふんりゅう には、通院負担が少ない手術等をご提案します。 - 皮膚腫瘍:
取りやすい できもの は簡便にとり、難しければ生検もします。 - 皮下腫瘍:
皮下の しこり は触診を重視し、手術や他院へのご紹介を行います。 - 尋常性疣贅:
上手に削った上で いぼ の凍結治療を行い、難治なら局注もします。 - 鶏眼・胼胝:
手早くきれいに うおのめ・たこ を処置し、痛みを緩和します。 - 尋常性ざ瘡:
保険治療の枠にもこだわり、肌質に留意して にきび を治療します。 - 弯曲・陥入爪:
痛い 巻き爪 の原因を把握し、最適な手技で対処します。 - 脱毛症:
炎症性/形成性を正しく区別した上で、内服/外用薬や局注を用います。 - 皮膚潰瘍:
治りにくい きず を、いろいろ用いて根気よく治していきます。 - 熱傷:
さまざまな やけど に対応します。労災認定もあり、会社様ともご相談ください。 - 足・爪白癬:
足や爪の 水虫 は鑑別を常に考慮し、よい薬をご紹介します。 - カンジダ症:
多彩な かんじだ の病状を把握し、適切な対策をご案内します。 - 膿痂疹・せつ:
治りにくい とびひ や おでき にも、理論をもって対処します。 - 蜂巣炎・膿瘍:
痛みのある 腫れ を、有効な薬と処置で改善に導きます。 - 帯状疱疹:
水ぶくれ 前の早期診断を目指し、重症度まで鑑みた治療を提供します。 - 単純疱疹:
ヘルペス では鑑別診断を重視し、日常生活に合った治療を提供します。 - 湿疹:
一見ありふれた しっしん・肌荒れ も細かく観察し、早い完治を目指します。 - 手湿疹:
頑固な 手荒れ にも、生活指導から薬の選択まで助言していきます。 - 接触皮膚炎:
かぶれ の原因物質を推測し、重症例の治療・予防にも取り組みます。 - アトピー性皮膚炎:
スキンケア・生活習慣から治療薬の工夫まで、長く支援します。 - 蕁麻疹:
じんましん の対症療法から病態の推測まで、日々研鑽を積んでいます。 - 痒疹:
かゆい ボコボコ にも、経験に基づくよい薬や局注で対応します。 - 虫刺症:
種類や生態にまで配慮して ムシ を考え、疥癬 かいせん 等も治します。 - 中毒疹:
薬などの アレルギー が疑われれば、十分な問診を踏まえた診療をします。 - 紅皮症:
全身が まっか になっても、恐れずあわてず鎮静化を図ります。 - 乾癬:
驚嘆すべき進歩を遂げる かんせん の治療にも、遅れずついていきます。 - 水疱症:
難しい てんぽうそう なども、早期発見や維持療法に取り組んでいきます。 - 膠原病:
いろいろな 難病 にも特有のサインを見逃さず、向きあっていきます。
治療について思うこと
治療の考え方
上記のように、さも自信ありげに病名や治療を並べ立ててしまうことに、我ながら抵抗感は禁じえません。しかし、産声を上げたばかりの当院を認知していただくために、やはり書かざるを得ない面がございます。ご了承ください。
個人的には皮膚疾患の治療においては、「日常生活」のサポート(支援)がもっとも重要かと感じております。皮膚科は「 いのち 」が関わる疾患が少ない一方で、重要視されがちな「 みため 」や、いらだちの元となる「 不快感 」に、深く関わっています。
何が病気で何が病気でないのか、判断に迷う科でもあります。
そんな中で力の及ぶかぎりではございますが、 快適に日々をお過ごしいただける ようにお手伝いすることが、治療の基本ではないかと思っているのです。
治療の目標
病気を治療するに当たって、まずその疾患が「 根治 」できるのか、それとも精一杯「 制御 」しながら付き合っていくのか判断しなければなりません。疾病ごとに経過の「急性か慢性か」もまちまちですし、原因や病態についても「明確か不明か」においてさまざまな程度の違いがあります。
治療に当たる側には大まかな治療目標が最初から見えていますが、割ける時間の制約もあって、つい説明を怠りがちにもなります。
一方で、病的な状態をすべて治療しなければならないわけでもありません。ホクロは母斑細胞母斑という「病名」をもつ、立派に「疾患」のひとつです。が、どなたでもいくつかは持っているものですし、全身のホクロをすべて「根治」することは個人的にはお勧めしていません。それどころか病名を持つ何かは、その方の「 個性 」の一部でさえありえるのです。たとえば顔のホクロは、大なり小なりその人の印象の一部としてひとから認知されているようです。
先述のように、快適に日々を過ごす、だけではなく、 患者様一人一人に目標の設定 があろうかと思います。遠慮せず申し出てみてください。相談に乗らせていただきます。
しかし、医者にもできることできないこと、したいことしたくないこと、がある点については、一応のご理解をいただければありがたいです。